寛政暦の消長法、すなわち、麻田剛立が独自に考案し、寛政暦に取り入れられた天文諸定数の経年変化項の算出方法についての説明を行っている。
前回は、 天正冬至、天正経朔、冬至太陽距最卑(※1)、冬至太陰距最高(※2)、冬至太陰距正交(※3)の計算を説明した。
- (※1) 太陽の近点通過~当年冬至(翌年天正冬至)までの経過日時
- (※2) 天正冬至直前の月の遠点通過~天正冬至までの経過日時
- (※3) 天正冬至直前の月の昇交点通過~天正冬至までの経過日時
今回は、これらの値を使い、
- 10年に一度計算する値の算出
- 各種周期
- それから求める平均角速度
- 太陽の(本当は地球の)離心率
- 黄道傾斜角
- 年根(天正冬至翌日 0:00 時点の黄経)の算出
について説明する。
また、今まで「消長法の説明が終わってから」ということで先延ばしにしていた、節気・土用・朔の頒暦との突合を行う。