勝手に命名させていただいた用語で恐縮だが、オ変格について。
自動詞他動詞ペアのオ変格
自動詞他動詞ペアパターンのところで説明したが、オ変格とは、通常であれば -ar/-as の語尾を持つ自動詞他動詞派生形(四段B型、下二段の二段型)において、-or/-os の乙類オ段語尾を持つもののことである。
パターン | 正格 | オ変格 |
---|---|---|
自他四段B型 | -i/-asi 動き/動かし、交(か)ひ/交はし… | -i/-osi 狂ひ/狂ほし、響(とよ)み/響もし、残(の)き/残(のこ)し、及び/及ぼし、滅び/滅ぼし、潤(うる)ひ/潤ほし |
他自四段B型 | -i/-ari 懸き/懸かり、放(さ)き/離かり… | -i/-ori 包(くく)み/包もり、積み/積もり、寄し/寄そり、除き/除こり、整のひ/整のほり |
自他二段型 | -ë/-asi 明け/明かし、荒れ/荒らし… | -ë/-osi (実例無し?) |
他自二段型 | -ë/-ari 上げ/上がり、当て/当たり… | -ë/-ori 籠め/籠もり、慰め/慰もり、寄せ/寄そり、温(ぬく)め/温もり、広げ/広ごり |
オ変格は、カガハバマ行でよく起きるとは既に述べた。実際、上記を見れば、「寄し、寄せ/寄そり」以外はカガハバマ行である。
が、全てのカガハバマ行で起きるわけでもない。
どういうケースに発生するのであろうか。考えてみたい。