自動詞他動詞ペアパターン、動詞活用形の起源の説明にあたり、以下のルールを設定した。
- 語尾を付加するにあたり、三母音連続が発生する場合は、子音を挿入して三母音連続の発生を防ぐ。
- 二母音連続を長母音化する場合、u > o > a > i の優先度で残す母音を決める。ただし、ai/oi/ui のように i が後接する場合は、a/o/u とはならず、そのまま残す。
- なぜ、二母音連続はよくて、三母音連続は駄目なのか。「自動詞は r, 他動詞は s を挿入」などと言うことが本当に起きるのか。昔の人はこれが自動詞・これが他動詞と意識しながらしゃべっていたのか。
- 順行・逆行関わりなく奥舌優先というのは、文献時代以降の日本語での母音結合ルール(逆行同化が基本)とは極めて異質ではないか。(文献時代よりも遥か昔なのだろうから異質であってもいいじゃないか、その時の日本語じゃそうだったんだ、というかその時、「日本語」だったのか?、といってしまえばそれまでだが)
- そもそも、o は a より奥舌なのか。(森博達氏の上代日本語の推定音価によれば、/o/ [ə], /a/ [ɑ] なので、どちらかと言えば、a の方が奥舌だろう。もちろん、二母音連続の長母音化が起こった時期においてもこれと同じだったとは限らないだろうが。)