2016年8月29日月曜日

八丈語と琉球語

現存する方言のなかで、中央本土方言との距離が大きく、日本語の起源を探求するなかで大きく注目されるのは、琉球語と八丈語である。


2016年8月21日日曜日

Japan Knowledge

院政期アクセントが検索できるサイトとかないものかなーといろいろ物色していたが、結局のところ、小学館日本国語大辞典を見るしかなかろうとの結論に至る。

日本国語大辞典と言えば、14巻本で税別210,000円也。気軽に買える値段ではないし、置く場所もばかにならない。「精選版日本国語大辞典」だと3巻本で税別15,000円。こちらだとまだ手が出なくもないが、残念ながら、アクセント・上代特殊仮名遣表記など、私の知りたい情報が入っていないようである。

電子辞書だと、CASIO XD-Y20000 が精選版日本国語大辞典を収録しているが、さすがにフル版の日本国語大辞典を収録している電子辞書はないようだ。

というわけで、 Japan Knowledge。小学館の子会社の NetAdvance が運営しているサイトで、有料ながら、日本国語大辞典をはじめとする百科、国語、漢和、英英・英和・和英、他の辞書をオンライン検索できるというサイトである。
個人向けサービスは、1,620円/月(税込)、または、16,200円/年。(専門辞書系なども含めて検索できる +R の場合、2,160円/月 or 21,600円/年)
まあ、払えない金額ではないので、加入してみた。

2016年8月13日土曜日

管見の已然形の由来説(連体形+「得」)について若干の補足

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管見の已然形の由来説について、若干の補足。

管見の主張の骨子は以下のとおりであった。

  • ① 已然形は、連体形 + ë の形式に由来している。
  • ② ë は下二段動詞「得」の未然形に由来している。つまり、もともと「未然形+ば(むは)」の形式は、仮定条件、確定条件両方に用いられていたのだが、「連体形+得(未然形)+ば(むは)」(「する得むは」→「すれば」)の形式を確定条件を明示するために利用するようになったとする。「連体形+得」(「する得」)は「することを得」、つまり、連体形による準体節が「得」の目的語になっている形である。
  • ③ 過去助動詞「き」の已然形「しか」は、ク語法「しく」+ a の形式に由来している。a は、「得」の古形未然形(連用形 ë が未然形にも用いられるようになる前の未然形)の残存である。連体形ではなくク語法になっているのは、過去助動詞「き」の連体形「し」には準体節を導出する機能がなかったからである。

2016年8月7日日曜日

陰母音語幹の下二段活用動詞をどう考えるか

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動詞の活用種類は、語幹の形によって下記のように決まっていると考えている

活用種類 語幹 連用形
四段活用 -C, -Ci, -VV -Ci, -Ci, -VVri/-VVsi
下二段活用 -a -ai
上二段活用 -u, -o -ui, -oi
上一段活用 Cii Cii

ここで気になるのが、下二段活用である。
下二段活用は、 -a 終わり語幹であるのであれば、陽母音語幹動詞しかあってはいけないはずである。
上二段はいい。陽母音語尾 (-u) と陰母音語尾 (-o) があるのだから、陽母音語幹動詞も陰母音語幹動詞もあってよい。しかし、下二段で陰母音語幹動詞があってはおかしい。